
最初にこの「黄泉」三段をトライしたのはいつ頃だっただろう。きっと「
石の魂」のポケット使うバージョン1級(ランジver初段よりも難しいとの声も聞きますが^^;)を登ってすぐ位だから・・・5年以上前かなぁ。年来頭のどこかには残っていた小川山では因縁の課題です。
「黄泉」のラインは傾斜が上にいくほど前傾していて、平均すると110°くらい。手数は実質3手。シンプルだけどバランシーでデリケートな要素、ダイナミックな要素が織り込まれた、これぞ
ボルダリングという感じで一目ぼれした課題。
「AIT」初段を登りつつ、2シーズンにまたがり何日か足を運びました。ようやく確率が極悪ながらも最後のランジの体勢に入れたところで、スタート左手のカチが知らないうちに三角形に剥離。これが2006年。
室井登喜男さんにその旨を伝えたところ、ホールドが壊れた箇所の少し上のポケット(下の写真参照)を使って再登。以前よりは難しくなったけれど三段据え置きでいいんじゃないかとのこと。
とはいえ以前と同じスタートができなくなったことで少しモチベーションが下がり、ここ3年程はほったらかしにしていた「黄泉」。密かに今年こそは、と一番の目標にしていたのでした。

写真のように三角に壊れた黒い部分の極小カチもありますが、うまくスタートできません。結局室井登喜男さん同様左手が第一関節半分くらいの一本指ポケット、右手極小のつまみでスタートすることに。カチでスタートしていた時よりもさらに痛いので、気持ちを高めて集中しないと一手目のポケットピンチさえ取れません。
ポケットピンチを保持したら次は実質的な核心、左手ポケット取りからのそのままガストン保持への切り替えです。ポイントはこれまで散々悩んだ右足の位置、そしてほぼ決まりきっているにもかかわらず数ミリ単位で微調整したくなる左足の位置。左足の置き方も意外と悩みどころで、結局僕はキョンをチョイスしました。
復習がてら1便出してみるとなんだか良い感触、というかいきなりポケットが止まる。でも中途半端な気持ちだったのでガストンカチに切り替える前に一度降りる。はやる気持ちを抑えて再集中。
そして次のこの日2回目のトライで
「黄泉」三段を完登できました。リップへのランジを止めた時、久しぶりにうるさい声が出ました。いやーうれしかった。登れるときは本当に滑らかなもので、すべてのムーブ・距離感がピッタンコ。自分のここ数年の成長もあるのでしょうが、今日まで登れなかったのが嘘のようでした。
延べトライ回数はきっと初めての二段「穴社長」のトライ数の数分の一、比較的最近登った御岳の「虫」三段のトライ数よりもさらに少ないかもしれませんが、足掛け数年という時間もあってか僕にとっての達成感はそれらを上回るものでした。小川山「石の魂」の「黄泉」三段、本当にありがとうございました!
今のところいまいちモチベーションは湧きませんが、次「石の魂」に来ることがあったら「AAIT」二段やら「輪廻」三段のムーブでも作り始めてみますか。
14:30、とりあえず時間も早いですが、長年の宿題も終わったので廻り目平キャンプ場まで降りてみます。
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